金箔、金泥で装飾された色紙に、豊かな色彩で描かれた花鳥画4枚、桐箱入りです。
色紙は、基底材が絹の絹本(けんぽん)彩色のようです。
大正〜昭和に活躍した日本画家「小西福年(ふくねん)」の作です。
桐箱の蓋表には、月に草の画、下には縦書篆書体「福年」の朱文落款が。
また、蓋裏には、「四趣」、「福年自題」、右書篆書体「福年」の朱文落款が見られます。
「四趣」は、仏教関連の言葉にもあるようですが関連はなく、「花鳥四趣」の意味だと思います。
「自題」は、作品が本人自身のものであることを示すため、自分の名前や落款を色紙に書くことの意味ようです。
「小西福年」は1887年(明治20年)福井県の生まれ。15歳の時に京都に出て日本画家「鈴木松年」の門下に。日本美術展、京都絵画展に出展し優賞を受ける。花鳥、山水、人物画を得意とする鈴木派画風の代表的な名手。1959年(昭和34年)没、享年73歳。
自宅に仕舞われていたものです。作家の没年や精力的活動時期を想像すると80年前後の経年、桐箱には相応の汚れが見られますが、桐箱自体の傷みはほとんどなく、色紙にも色褪せや傷みなどはほぼありません。
なお、写真18に見られるように、3枚の色紙裏に花鳥に関して薄く鉛筆書きのメモが。メモ書きはそのままにしています。
メモ書きも参考に、花鳥を次のように特定。
写真8〜9: 梅に鶯(ウグイス)
写真10〜11:撫子に翡翠(カワセミ)
写真12〜13:菊に鷦鷯(ミソサザイ)
写真14〜15:紅葉に四十雀(シジュウカラ)
色紙には、自筆「福年」と朱文落款が、落款は2種類。「梅に鶯」は長方形で「福年」、これ以外は小判形で、成年後に実名の他につける字(あざな)「重熙(ちょうき)」の篆書体落款です。
色紙サイズ(㌢)は、横24.2、縦27.3、
桐箱(㌢)は、横27.4、縦30.8、高3。
大正〜昭和に活躍した日本画の名手「小西福年」の花鳥画4枚です。経年80年前後と思われますが、色紙に色褪せや傷みなどはほとんど見られません。四季折々に飾っていただければ幸いです。
なお、画像写真は照明などの影響で実際の色彩と異なることはご了承下さい。
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