■江戸往来絵註抄[自遣往来絵註抄]藤村秀賀 A書袋付・原装・美本・稀書
【判型】大本1冊。縦261粍。
【作者】藤村秀賀注・序。橋本貞秀(玉蘭斎)画。巻鴎洲跋。
【年代等】文久2年作。元治2年刊。[江戸]山崎屋清七(山静堂)板。
【備考】分類「往来物」。『江戸往来絵註抄[自遣往来絵註抄]』は、寛文9年刊『江戸往来』の本文を43段に分けて行書・8行・無訓で記し、各段毎に詳細な2行割注を施した注釈書。各段の大意を平易に解説したうえで、一つ一つの語句・語彙についても詳しく具体的な施注を加える。結果として、諸国より流入する土産・菓肴・衣服・器財・舶来の品々の箇所(語彙集の形をとる)も、長大な紙幅を費した注解となっている。そのため、例えば江戸後期の注釈本『〈万世〉江戸往来註解』の22丁に対して、本書では62丁に及ぶ。頭書欄の編集形式は『註解』とほぼ同様だが、挿絵は65葉と多く、図柄も異なる。また、頭書には漢字・平仮名交じり文に改めた本文を楷書・14行・付訓で記す。これらの編集のねらいや特徴については、巻頭の藤村秀賀自序および巻末の巻鴎洲跋文に的を射た記述が見られる。
★原装・題簽付・美本・書袋付き。稀書(全国に所蔵数カ所(国文学研究資料館DB))。